2012年8月25日
午前4時 さすがに8月末ともなると、日の出が遅い。
辺りはまだ暗闇の中。
空には明けの明星がポツンと光る。
東の空にようやく赤みが差し始めた。
キャンプ場一帯はまるで雨でも降ったかのように、夜露でずっぷり濡れている。
4時30分
キャンプ場の隅に稚内港を見下ろせる場所があるので、日の出を見にいったが、その目の前にテントが2張り陣取っていた。
起こさない様に静かにテントの前にまわり、ビューポイントに降りる。
宗谷岬の向こうから朝日が昇り始めた。
辺りも明るくなり、朝食を済ませ荷物の片づけを始めていると、昨晩談笑した二人が起き出した。
まずは、お湯を沸かし、コーヒーを飲みながら、3人でしばし談笑。
上の展望台(開基100年記念塔のある場所)まで散歩して写真を撮りに行かないか、と誘われたが往復1時間以上はかかってしまう。
断って撤収を続ける事にした。
利礼の丘
今日は宗谷岬を周ってオホーツクラインを走って帰る予定だが、その前にこの夏初めて知った「利礼の丘(リレイの丘)」に行くつもりだ。
出会った2人とキャンピングカーのおじさんとお別れの挨拶を交わしキャンプ場を出発。
まずは、先ほど2人が散歩して行って戻って来た「開基100年記念塔」のある広場へ。
以前、この塔の展望台にタダで昇らせてもらった事がある。
事前調査では、記念塔の広場からさらに奥へ続く道を進むらしい。
途中から砂利ダートになっていることも知っている。
この程度のダートならZZRでも何度も走っているので楽勝だ。(この辺で止めとけばよかった)
と、なめてかかっていたら。。。。途中一旦下った後、今度はかなり急な上り坂になっている。
おまけに、終点近くにはきついカーブがあり、さらにそこには深いジャリが敷いてあった。
「聞いてないよー。。」
深いジャリにタイヤが取られ、スリップして登らない。
燃料満タン、荷物満載で総重量300kg近くもある状態のZZRでは、このまま登るのは相当厳しく危険だ。
かといって、方向転換が出来る状態でもない。
下手にやると転倒し、この場所で一人で起こすことは絶対に不可能だ。
「どうしようか?」
車体をしっかりホールドし、慎重にスロットルを徐々に開ける。
何とか、難関を脱出し終点に辿りつく事が出来た。
ネットで見た写真ではなかったが、携帯電話のアンテナだろうか?何やら工事をしている。
ここがライダーの間で人気のスポット、「利礼の丘」か。
青い空に、白い雲。
利尻富士も昨日とは違ってくっきりと見える。
良い眺めだ。来て良かった!
が、しかし、きっとZZRでは2度とこないだろうな。
オフ車なら楽勝だが、ロードはきつい。荷物満載なら400ccのネイキットくらいが限界だろうか。
実際、1台のネイキットの先客がいて、「そのバイクで来るのは本当に大変だったでしょう!」と声をかけられた。
確かにもう一度ZZRでも慎重に走れば登れるかもしれない。(実際にこうして登った訳だから)
だが、転倒するリスクも普段より格段に高くなるのは事実だ。
仮に次回も来れたとしても、敢えてそんな危険に挑む必要はどこにもないのだ。
オンで登る技術があったとしても、リスクが数倍高くなるなら、やはり行くべきではない場所だと思う。
宗谷岬
無事にダートを引き返し、稚内市街から宗谷岬方向へ向かう。
まずは、宗谷丘陵へ。
ここに来るのも今回で3度目になるが、こんなに晴れたのは初めてだった。
昨年はこの場所よりもっと奥まで進んだのだが、そこには風力発電の風車がやたら建っている。
壮観な眺めではあるが、所詮人工物。
本来、ここの大自然の中に存在すべきものではないはずだ。
ホタテの貝殻を敷き詰めた「白い道」も気になっていたが、道幅も狭いらしくUターンする場所もないよう思ったので、今回はやめておいた。
丘陵の写真を撮っている横で年配のライダーが朝食にサンドイッチを食べていた。
稚内の民宿に泊り、ここ数日宗谷周辺を周っているそうだ。
丘陵から宗谷岬へ向かい、岬手前の高台から旧樺太が見える。
はるか遠く、樺太の沖合に一隻の船が航行している。
甲板に白いレーダードームらしき物が見えるが、ロシアの巡視船だろうか?
日本の最北端、宗谷岬。
さすがにシーズン真っただ中。
ライダーもたくさん訪れている。
ここでまたまた再会!
昨日出会った若いカップルと温泉で出会った大坂のライダーがいた。
その他にも10台以上のライダー。皆同じライダーハウスに泊って、仲良くなったようだ。
今日は斜里町のライダーハウス「クリオネ」まで走るそうだ。
オホーツクライン
宗谷岬からR238オホーツクラインを南下。
海岸線あり、コーナーあり、アップダウンありの中々快適で楽しいルートだ。
昨年の6月もここを通ったが、悪天候だったせいもあり、その時はここの良さは感じなかった。
道の駅「さるふつ公園」
広々とした平原の牧場の中にある道の駅で、キャンプ場が隣接していた。
猿払を過ぎると南から霧が迫り、一気にくもり空になってしまった。
せっかく晴天の下のエサヌカ線を走ろうと思っていたのに!
何とか晴れますように。祈りながら前に進む。
浜猿払から海岸線をやや離れると霧が晴れ青空が広がって来た。
天北南部広域農道(エサヌカ線)に到着。
牧草地と原生花園の中、約10キロにおよぶ一直線に伸びた道。
道路わきにはところどころ車幅を示す反射板があるだけで、街路灯も標識も一切ない。
初めて見る光景に感動!
11時30分 エサヌカ線を抜けると、すぐ浜頓別町についた。
クッチャロ湖半キャンプ場にちらっと立ち寄る。
昨年の6月、テントも飛ばされそうな強風が吹き荒れる中、たった一人でキャンプをしていた記憶が蘇る。
この時期だとライダーも結構利用しているらしいが、この時間帯はみな移動している頃だろう。
バイクは1台しか見かけなかった。
駐車場にバイクが1台入って来た。宗谷丘陵で出会った年配のライダーだ。
今日は豊富温泉に入って、稚内に戻るそうだ。
私も、今回のツーリングで時間があれば行ってみるつもりだったが、1泊ツーリングではやはり時間的に厳しすぎる。
次回のチャンスに回す事にした。。
熱中症に注意!
浜頓別からR275に入り中頓別方向に向かう。ここからはもう帰る経路だ。
内陸に入った途端、気温がぐんぐん上昇し始めた。
気温は一体何度あるのだろうか?
アスファルトの道路の上は間違いなく30度は超えているだろう。
メッシュジャケットの中はTシャツ1枚なのだが、熱風がメッシュをつき抜けて体にぶち当たる。
走っていても、汗が噴き出る。信号待ちが殆どないのが唯一の救いだ。
小まめに水分補給をしながら、走り続ける。
道の駅「ピンネシリ」を過ぎ、昼食をとろうと道の駅「おといねっぷ」に立ち寄る。
レストランは営業していたるが、店内入口に「スタッフが不足しており、お客様にご不便をおかけしております。」と、張り紙をしている。
一応店内を見渡すと、静かな店内に料理を待っているお客さんが5~6組はいるようだ。
「こんなところで呑気に待ってもいられないな。」
あきらめて美深まで走る事にした。
13時 道の駅「びふか」に到着。
すぐ裏にライダー人気のキャンプ場もあるので、バイクも多かった。
2階のレストラン「あうる」で焼きそばを注文。
本当は「ジャンボ焼きそば」が美味しそうだったのだが、2人前以上のボリュームときいて、普通のを注文。
これも美味しかった。
道の駅の3階からキャンプ場のある「森林公園びふかアイランド」を眺める。
運動公園あり、温泉あり、キャンプ場ありで人気の総合施設だ。
2010年の9月のツーリングで利用したが、とても良かった。
14時10分 道の駅「もち米の里なよろ」で休憩。
まだ、かなり暑いので気温が少しでも下がり始める時間になるよう、長めの休憩をとる事にした。
(レンズに虫がついて汚れている。。。( _ _) )
30分以上の休憩をとり、士別剣淵ICから道央自動車道に乗る。
ETCをつけていないので料金が高いため、滝川ICで高速をおりR12を走る。
それにしても、料金が高すぎる。バイクでこの間だけでも2,050円だ(軽自動車と同じなのはわかっているが・・・)
信号の多いR12を我慢して走りながら、16時45分 道の駅「三笠」の到着&休憩。
岩見沢市からR234に入り、霧と暗闇の中、安平町を抜け、19時40分 無事に自宅到着。
何度かヒヤッとする事もあったせいか、本当に「無事に」という実感が沸いてきた。
1泊2日のツーリングだったが、好天に恵まれたせいか、出会うライダー皆、笑顔でとても楽しそうだった。
初めて北海道に来たライダーには「存分に北海道を楽しんで行ってほしい」と思う。
本日の走行距離 542km
2日間の走行距離 1,029km
走行メーター 48113km
そろそろ本格的なメンテが必要かな?